■頭部の病気 |
環軸亜脱臼 |
頚椎の第1と第2の関係が悪く、頭の位置をうまく保つことが出来ません。歯突起の骨折や欠損の場合も、同じ状態になります。首を無理に下げると危険です。 |
水頭症 |
先天的な場合と後天的な場合があります。頭に水が溜まってしまい、運動失調等が現れ、これがひどくなるとてんかん様発作などの様々な症状がでます。 |
後頭骨形成不全 |
うまく歩けなくなり、運動障害も現れ、これがひどくなるとてんかん様発作などの様々な症状がでます。なかなか診断もやっかいな病気です。 |
歯突起の欠損 |
首の後方にある歯突起が、産まれつき欠損する病気で、ふらふら歩いたりするなどの運動障害が現れ、これがひどくなるとてんかん様発作などの様々な症状がでます。 |
|
■骨・筋肉の病気 |
膝蓋骨の脱臼 |
膝のお皿に相当する骨が内側に滑り落ちる状態になり、ひどくなると慢性的に痛み、跛行を呈します。 |
レッグ・ペルベス・ パーセス病 |
大腿骨の骨頭が壊死し、跛行を呈します。反対の後肢にも30%ぐらい発症します。治療は外科手術で骨頭を切除すれば治ります。 |
椎間板ヘルニア |
椎間板が変性し、腰の神経を圧迫するため、運動障害や後肢の麻痺や失禁などが生じます。症状がひどいと、俗に言う腰抜けの症状となります。 |
椎間板変性 |
腰の神経の圧迫により、運動障害が生じます。 |
半椎体症 |
先天的な胸部椎体の奇形(短くなる)で、脊柱の変形を起こします。神経の圧迫が起こると、運動失調、麻痺、排尿・排便困難、痛み等が現れることがあります。 |
肩関節脱臼 |
何かのひょうしに肩関節がはずれ、脱臼します。習慣性になることもあります。 |
|
■呼吸器の病気 |
気管虚脱 |
気管がつぶれた状態になり、呼吸困難を起こす病気です。 |
鼻腔狭窄 |
鼻の孔が先天的に狭いために、少し興奮すると呼吸困難が起こります。 |
軟口蓋伸長症 |
喉のひだが伸びてきて、だんだん「いびき」がひどくなってきます。重症になると、呼吸するたびに「ぜいぜい」するようになり、呼吸困難となります。 |
扁桃腺の肥大 |
扁桃腺が腫れて、呼吸をしずらくさせます。呼吸回数と関係があります。 |
|
■眼の病気 |
角膜潰瘍 |
眼が突出しているために傷がつきやすく、涙が出たり、眼が白く濁ったりします。 |
流涙症 |
俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに、外に涙があふれ出します。産まれつき涙管がない場合、細い場合、ただ単に詰まった場合等があります。 |
慢性角膜炎 |
角膜(眼の表面)が慢性的に刺激を受けて、炎症を起こします。痛くて瞬きをします。 |
表在性角膜炎 |
角膜が炎症をおこし、混濁したり疼痛が起こったり、何回も瞬きしたりします。 |
涙管異常症 |
涙管が欠損していたり、位置が違っていたり、狭かったりする病気です。 |
パンヌス (慢性表在性角結膜炎) |
外側下方の角膜輪部に色素沈着等が起こります。免疫介在性疾患で、通常両眼に起こります。病変には形質細胞を多く含みます。 |
老齢性白内障 |
加齢によって、水晶体が濁ってきます。眼がだんだん見えなくなります。 |
水晶体脱臼 |
原発性緑内症の原因として起こることが知られています。 |
眼瞼外反症 |
下のまぶたが外転するために結膜が露出します。このため、眼球に傷がつき、涙が出たり充血したり角膜炎が起きたりします。 |
|
■歯の病気 |
歯石・歯垢の蓄積 |
歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。 |
乳歯遺残 |
乳歯と永久歯が入れ代わるときに乳歯が残ってしまい、歯並びが悪くなることがあります。歯石や歯肉炎の原因になるので、早めに治療する必要があります。 |
不正咬合 |
これは噛み合わせの問題で、アンダーショットやオバーショットなどと呼ばれるもので、ほとんどは先天的な問題です。これらの問題を持つ場合には繁殖には適しません。 |
歯肉炎 |
これは歯石、歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。 |
|
■血液の病気 |
血友病 |
血液を凝固させる因子が先天的に不足するため、外傷による出血が止まりにくくなる病気です。 |
自己免疫性 溶血性貧血 |
発熱を伴う溶血性貧血で、貧血や脾臓の拡大が認められます。雌が罹りやすく、血小板減少症(歯肉の点状出血)を伴うこともあります。 |
血小板の機能異常 |
血液を凝固させるための機能が低下して、出血すると血液が止りにくくなります。 |
免疫介在性 血小板減少症 |
血小板が少なくなり、皮膚に点状の出血が起こります.軽い刺激でも出血するなどの異常が起こります。 |
|
■皮膚の病気 |
アレルギー性皮膚炎 |
ノミ、アトピー、食餌や接触が原因で起こるアレルギーで、その原因によって治療は異なりますが、さまざまの程度で激しく痒がります。 |
アトピー性皮膚炎 |
主に塵埃(家のダニ等)を吸引することが原因で起こり、通常1〜3才までに発生し、遅くても6才までに発症します。季節性があり、激しく痒がります。性差はありません。 |
食餌アレルギー |
食事が原因で起こるアレルギー性皮膚炎で、主に顔面が腫れることが多く、季節性はありません。アレルギーのない食事にすると治りますが、なかなかむずかしい病気です。 |
皮膚糸状菌症 |
カビ、真菌による感染症でなかなか治療がやっかいな病気です。 |
湿性皮膚炎 |
アレルギー体質だと罹患しやすい皮膚病です。円〜卵円形の脱毛と発垢を示します。激しく痒がります。 |
外耳炎 |
耳が垂れているために、炎症が起こりやすく、激しく痒がったり、耳の中が赤くなったりします。いろいろな病気の症状として現れます。 |
毛包虫症 |
幼犬に多発する寄生虫による皮膚炎で、頭部から発生し次第に全身に広がります。脱毛、皮膚の肥厚、乾燥がみられます。重症では全身膿皮症になり、治療が難しくなります。 |
円盤状紅斑性狼瘡 |
鼻や口や目の周りに好発します。自己免疫性の皮膚病で、鼻部の色素沈着の低下、発赤、潰瘍などが起こります。 |
類天疱瘡 |
口腔や、皮膚(特に鼠径部と腋の下)に潰瘍を形成します。痛みを伴い、食欲不振、元気消失、体重の減少を呈します。自己免疫性の皮膚疾患です。 |
真菌感染症 |
マラセチアと言う真菌に罹りやすい体質を持ちます。 |
落葉状天疱瘡 |
主に顔面が侵される自己免疫性の皮膚病で、発赤、潰瘍などが起こります。 |
|
■泌尿器の病気 |
尿石症 |
血尿、尿が出にくい、嘔吐、疼痛などの症状が現れ、ひどくなると尿閉をおこし、尿毒症になります。 |
膀胱結石 |
膀胱に結石ができることがあり、数個の場合と大きな一つの場合があります。 |
腎臓結石 |
腎臓に結石ができることがあり、通常小さい数個の結石があります。 |
腎皮質形成不全 |
先天的に腎臓の皮質が形成不全になるために、1才以下で腎不全の症状が現れ、尿毒症になります。 |
|
■心臓・循環器の病気 |
僧帽弁閉鎖不全 |
老齢になると起こりやすい心臓の僧帽弁の障害で、咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。 |
三尖弁閉鎖不全 |
老齢になると起こりやすい心臓の三尖弁の障害で、僧帽弁閉鎖不全とほとんど同時に起こる傾向があります。咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。 |
気管支形成不全 |
先天的に気管支の発達が悪く、咳などの症状が続くのが特徴です。 |
|
■神経系の病気 |
特発性てんかん |
6〜24か月齢で発症しやすく、急に発作を起こし、最初は短い時間で回復しますが、徐々に長い発作が頻繁に起こるようになります。 |
部分的てんかん |
何もないのに、何かを噛むような動作を続けて行います。 |
先天性前庭疾患 |
先天的な障害により、歩き方や姿勢に異常が生じます。首を傾けたままになる(斜頚)ことが特徴です。 |
|
■消化器の病気 |
出血性胃腸炎 |
突然嘔吐し、ジャムのような血便の下痢が始まります。 |
脂肪肝 |
肝臓に脂肪が蓄積して、肝臓機能が悪くなる病気です。肥満での発生が多い。 |
肝臓病 |
慢性の肝臓病に発症することがあり、最終的に肝硬変に進む場合が多い。 |
|
■腫瘍性の病気 |
乳腺腫瘍 |
雌では2.5才以下に避妊すれば、乳腺腫瘍の発生率が低くなることがわかっています。また、子宮蓄膿症などの病気も防ぐことができます。 |
|
■その他の病気 |
停留睾丸 |
片側、または両側の睾丸が生後一ヶ月以上たっても陰嚢の中に認められない疾患です。繁殖には適しません。 |
単精巣症 |
精巣が片側しかなく、もう一方はほとんどないか、欠損している状態です。 |
難産 |
出産のときに難産になることがあります。陣痛が始まってもなかなか子供が生まれないようであれば、すぐに獣医師に連絡しましょう。 |
臍ヘルニア |
おへそが膨らみ、外から触ると内に入ります。多くは先天的です。 |
鼠径ヘルニア |
内股が膨らみ、外から触ると内に入ります。多くは先天的です。 |
全身性紅斑性狼瘡 |
原因不明の自己免疫性疾患の一つで、関節炎、腎炎、貧血、皮膚の潰瘍、心筋炎など様々な臓器に障害が起こります。雌に多い疾患です。 |
腎不全 |
長生きをすると、多くの犬は、関節炎に悩みながら、腎不全または、癌で死亡することが多いようです。 |
|