■骨・筋肉の病気 |
膝蓋骨の脱臼 |
膝のお皿に相当する骨が内側に滑り落ちる状態になり、ひどくなると慢性的に痛み、跛行を呈します。 |
肥大性骨関節症 |
四肢の末端の骨膜肥厚による肢の腫脹を特徴とし、多くは胸腔内に異常(炎症性疾患、腫瘍の発生等)があります。以前は肺性肥大性骨関節症とも呼ばれていました。 |
軟骨形成不全 |
軟骨の形成不全により、異常に短い足になります。 |
汎骨炎 |
前肢や後肢が跛行します。ときには跛行が移動します。あまり治療しなくても2歳以上になると、自然に治ります。大型犬に起こる特有の病気です。雄が罹りやすいようです。 |
骨端線の早期閉鎖 |
外傷等によって、成長板に損傷を受け、前肢が弓なりに曲がってくる病気です。 |
多発性関節炎 |
主に飛節部分が侵されます。慢性的な痛みを伴います。 |
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■眼の病気 |
流涙症 |
俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに、外に涙があふれ出します。産まれつき、涙管が無い場合、細い場合、ただ単に詰まった場合などがあります。 |
小眼症 |
産まれつき眼が小さく、涙の産生が少なくなる傾向にあり、眼が乾燥することがあります。ときには手術をして目を大きくすることがあります。 |
眼瞼内反症 |
まぶたが眼球のほうに内転します。このため、眼球に傷がつきやすくなり、涙が出たり、充血したり、角膜炎が起きたりします。 |
慢性角膜炎 |
角膜(眼の表面)が慢性的に刺激を受けて、炎症を起こします。痛くて瞬きをします。 |
乾性結膜炎 |
涙の分泌が先天的に傷害されるため、眼がいつも乾燥し、目やにが溜まります。 |
ブドウ膜皮膚症候群 (ホヒト-小柳- 原田病様疾患) |
突然に両眼が大きくなり、流涙が起こり、それが進行すると角膜が混濁し、視力の低下が起こります。 |
パンヌス (慢性表在性角結膜炎) |
外側下方の角膜輪部に色素沈着等が起こります。免疫介在性疾患で、通常両眼に起こります。病変には形質細胞を多く含みます。 |
老齢性白内障 |
加齢によって、水晶体が濁ってきます。目がだんだん濁ってきます。 |
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■歯の病気 |
歯石・歯垢の蓄積 |
歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。 |
歯肉炎 |
これは歯石、歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。 |
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■血液の病気 |
血友病A |
血液を凝固させる因子が先天的に不足するため、外傷による出血等で、止まりにくくなる病気です。古典的な血友病で、第[因子の欠乏が原因です。 |
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■皮膚の病気 |
アレルギー性 皮膚炎 |
ノミ、アトピー、食餌や接触が原因で起こるアレルギーで、その原因によって治療は異なりますが、さまざまの程度で激しく痒がります。 |
アトピー性皮膚炎 |
主に塵埃(家のダニ等)を吸引することが原因で起こり、通常1〜3才までに発生し、遅くても6才までに発症します。季節性があり、激しく痒がります。性差はありません。 |
食餌アレルギー |
食事が原因で起こるアレルギー性皮膚炎で、主に顔面が腫れることが多く、季節性はありません。アレルギーのない食事にすると治りますが、なかなかむずかしい病気です。 |
皮膚糸状菌症 |
カビ、真菌による感染症で、なかなか治療がやっかいな病気です。 |
湿性皮膚炎 |
アレルギー体質だと罹患しやすい皮膚病です。円〜卵円形の脱毛と発垢を示し、激しく痒がります。以前から使用されている俗名です。 |
甲状腺機能低下症 |
中年齢以上で性別に関係なく発生しますが、この犬種では特に多いと言われています。皮膚病が治りにくくなり、被毛に光沢がなくなり脱毛しやすくなります。 |
ブドウ膜皮膚症候群 (ホヒト-小柳- 原田病様疾患) |
眼と皮膚の炎症を伴う免疫介在性疾患です。 |
肢端舐性皮膚炎 |
多くのアレルギー性皮膚炎に伴って起こり、雄の場合は非去勢により多い。退屈している犬が、いつも前肢を舐めるために、脱毛し、ひどくなると潰瘍ができ、感染の原因となる、との説もありますが、最近はアレルギーを原因とする説が有力です。治療にはまず、できれば原因を除去する、そしてまた、できるだけ犬に飽きさせないようにしてあげることです。 |
毛包虫症 |
幼犬に多発する寄生虫による皮膚炎で、頭部から発生し次第に全身に広がります。脱毛、皮膚の肥厚、乾燥がみられます。重症では全身膿皮症になり、治療が難しくなります。 |
鼻の日光性皮膚炎 |
多量に紫外線を浴びると、鼻に脱毛が生じることがあります。あまり痒がりません。 |
鼻部膿皮症 |
鼻に毛包炎が生じ、かなり腫脹し痛がります。 |
円盤状紅斑性狼瘡 |
鼻や口や目の周りに好発します。自己免疫性の皮膚病で、鼻部の色素沈着の低下、発赤、潰瘍などが起こります。 |
アポクリン腺の潰瘍 |
背中やわき腹や四肢のアポクリン腺(汗腺)に潰瘍が認められることがあります。治療は難しい病気です。 |
脂漏性皮膚炎 |
俗に言うフケが出て、その程度によってですが、全身を痒がります。油性と乾性のフケに分けて治療します。この病気は体質的なところがあります。 |
皮膚の腫瘍 |
肝様腺癌、皮膚血管外膜細胞腫、皮膚脂肪腫、基底細胞腫、皮膚血管肉腫、肛門嚢腺癌、アポクリン腺癌等が発症しやすい。 |
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■泌尿器の病気 |
尿石症 |
血尿、尿が出にくい、嘔吐、疼痛等の症状が現れ、ひどくなると尿閉を起こし、尿毒症になります。 |
膀胱結石 |
膀胱に結石ができることがあり、数個の場合と大きな一つの場合があります。 |
腎臓結石 |
腎臓に結石ができることがあり、通常小さい数個の結石です。 |
シスチン尿 |
尿の中のシスチンの量が増加し、そのため結石ができやすくなります。 |
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■心臓・循環器の病気 |
僧帽弁閉鎖不全 |
老齢になると起こりやすい心臓の僧帽弁の障害で、咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。 |
三尖弁閉鎖不全 |
老齢になると起こりやすい心臓の三尖弁の障害で、僧帽弁閉鎖不全とほとんど同時に起こる傾向があります。咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。小型犬に多発する傾向があります。 |
心室中隔欠損症 |
先天的な心奇形で、左右の心室に穴が開いている病気です。 |
心臓糸状虫症 (フィラリア症) |
蚊が媒介する、心臓に寄生する寄生虫の有名な病気です。中型犬以上が特に罹りやすく、室外犬はさらに罹りやすくなります。予防をしましょう。 |
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■神経系の病気 |
難聴 |
先天的な場合の治療法はありません。いろいろな犬種でみられますが、特に白い犬に多いようです。後天的の場合は、原因によって治療法は異なります。 |
前庭疾患 |
脳神経の異常で、頭を傾けたり、歩行障害、眼振などがあり、中枢神経系と末梢神経系に分けて考えます。難聴がないと予後は良いようです。 |
咀嚼筋炎、 萎縮性筋疾患 |
この炎症性筋疾患は、好酸球性筋炎とも呼ばれ、再発性です。顎を痛がり、発熱と筋の壊死、出血、浮腫などを特徴とする病気です。 |
末梢性多発性 神経疾患 |
成犬で進行的に、跛行、筋萎縮、不全麻痺等の麻痺が発症します。総称として、ニューロパシーとも呼ばれている病気です。 |
多発性軟骨性 外骨症 |
骨性の腫瘍が成長板の近くから発症します。通常1歳以下で発症します。 |
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■内分泌の病気 |
糖尿病 |
遺伝的に糖尿病になりやすく、初期は水をよく飲み、頻尿が起こり、次第に削痩、嘔吐し衰弱します。 |
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■腫瘍性の病気 |
脂肪腫 |
特に身体の前半に発症しやすい傾向があります。柔らかい脂肪の腫瘍で、ときに浸潤性の場合もあります。 |
血管肉腫 |
脾臓(大きくなります)から肺等へ転移しやすい癌です。周期的に元気がなくなることがあります。心臓の右心房にできることもあります。 |
アポクリン腺癌 |
背中やわき腹や四肢のアポクリン腺(汗腺)に癌が認められることがあります。治療は難しい病気です。 |
口腔内腫瘍 |
悪性黒色腫、扁平上皮癌、腺維肉腫等がありますが、予後は様々です。 |
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■その他の病気 |
全身性紅斑性狼瘡 |
原因不明の自己免疫性疾患の一つで、関節炎、腎炎、貧血、皮膚の潰瘍、心筋炎など様々な臓器に障害が起こります。雌に多い疾患です。 |
腎不全 |
長生きをすると、多くの犬は関節炎に悩みながら、腎不全または癌で死亡することが多いようです。 |
免疫機能低下症 |
産まれつき免疫の機能が低下して、いろいろな病気に対する抵抗力がなくなり、皮膚病、細菌感染、ウイルス感染等に対して罹りやすくなったり、治りにくくなる状態を言います。 |
前立腺肥大 |
去勢をしていない雄は、前立腺が肥大しやすい傾向があるようです。 |
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