■骨の病気 |
レッグ・ペルベス・ パーセス病 |
大腿骨の骨頭が壊死し、跛行を呈します。反対の後肢にも30%ぐらい発症します。治療は外科手術で骨頭を切除すれば治ります。 |
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■眼の病気 |
小眼球症 |
眼球が生まれつき小さく、眼が陥没しています。 |
若齢性白内障 |
多くは2才以下で発生します。遺伝性の病気で、両眼が侵されます。 |
進行性網膜萎縮 |
夜、眼が見えにくくなり、進行すると失明します。 |
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■歯の病気 |
歯石・歯垢の蓄積 |
歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。 |
歯肉炎 |
これは歯石、歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。 |
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■血液の病気 |
第VII因子の欠乏症 |
常染色体性の不完全優勢遺伝で、出血しやすくなります。 |
溶血性貧血 |
赤血球の形態に異常が起こるため、血球が破壊されやすくなり、貧血を起こします。 |
自己免疫性 溶血性貧血 |
発熱を伴う溶血性貧血で、貧血や脾臓の拡大が認められます。雌が罹りやすく、血小板減少症(歯肉の点状出血)を伴うこともあります。 |
ヴォン・ ヴィレブランド (フォン・ ヴィレブランド)病 |
出血性素因の病気で、粘膜や体のあらゆる部分に出血傾向が認められます。常染色体優性遺伝の病気です。 |
アテローム性 動脈硬化症 |
多くは雄に起こります。大動脈および中動脈の内膜に脂質沈着が不規則に分布するのを特徴とする動脈硬化症で、このような脂質沈着は線維形成と石灰化を引き起こします。高コレステロール血症、糖尿病、高血圧等が関係します。 |
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■皮膚の病気 |
脂漏性皮膚炎 |
皮膚に脂っぽいフケが付着し、特有の腐敗臭が伴います。激しく痒がり、発赤し、脱毛します。 |
アレルギー性 皮膚炎 |
ノミ、アトピー、食餌や接触が原因で起こるアレルギーで、その原因によって治療は異なりますが、さまざまの程度で激しく痒がります。 |
アトピー性皮膚炎 |
主に塵埃(家のダニ等)を吸引することが原因で起こり、通常1〜3才までに発生し、遅くても6才までに発症します。季節性があり、激しく痒がります。性差はありません。 |
食餌アレルギー |
食事が原因で起こるアレルギー性皮膚炎で、主に顔面が腫れることが多く、季節性はありません。アレルギーのない食事にすると治りますが、なかなかむずかしい病気です。 |
シュナウツァー 面皰(コメドン)症候群 |
背中の中央に小胞が多発形成されます。遺伝的に、毛包に欠陥があると考えられています。 |
甲状腺機能低下症 |
中年齢以上で性別に関係なく発生しますが、この犬種では特に多いと言われています。皮膚病が治りにくくなり、被毛に光沢がなくなり脱毛しやすくなります。 |
肛門周囲腺腫 |
雄の老犬で多発する腫瘍です。 |
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■泌尿器の病気 |
尿石症 |
血尿、尿が出にくい、嘔吐、疼痛などの症状が現れ、ひどくなると尿閉をおこし、尿毒症になります。蓚酸カルシュウムが他の犬種の11倍できやすいことが知られています。 |
膀胱結石 |
膀胱に結石ができることがあり、数個の場合と大きな一つの場合があります。 |
腎臓結石 |
腎臓に結石ができることがあり、通常小さい数個の結石があります。 |
ケイ酸結石 |
雄が90%で、4〜9才で発症します。X線撮影で、中心が円形で放射状の突起像が認められます。 |
リン酸 カルシュウム結石 |
雄が60%で、7〜11才で発症します。ときどき高カルシュウム血症が認められることもあります。 |
蓚酸 カルシュウム結石 |
雄が70%で、5〜12才で発症します。ときどき高カルシュウム血症が認められることもあります。 |
リン酸 マグネシュム・ アンモニウム |
雌が80%以上で、2〜8才以下で発症します。血清には影響を与えませんが、尿の培養でウレアーゼ産生細菌が認められます。 |
尿酸塩 |
雄が85%で、特に1〜4才で発症します。門脈大静脈短絡の犬はアルブミンと尿素窒素の値が低く、尿培養は陰性で、形は平滑〜円形〜卵円形です。 |
腎形成不全 |
先天的に腎臓が形成不全になるために、通常1才以下で腎不全の症状が現れ、尿毒症になります。超音波及び生検で診断します。 |
腎炎 |
腎臓が炎症を起こし、尿が混濁したり、血尿が出たりします。排尿する時に疼痛が起こり、背中を触ると痛がります。 |
停留睾丸 |
片側、または両側の睾丸が生後1ヶ月以上たっても陰嚢の中に認められない病気です。繁殖には適しません。 |
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■心臓の病気 |
肺動脈弁狭窄症 |
先天的な心疾患で、初期は無症状ですが、重度になると失神や咳などの心不全の症状が現れます。 |
僧帽弁閉鎖不全 |
老齢になると、しばしば起こる心臓の弁膜障害です。運動により、咳や呼吸困難などの症状が慢性的に認められます。 |
洞疾患症候群 |
急に失神したりします。特に雄に多発します。治療は難しく、予後はあまりよくありません。 |
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■内分泌の病気 |
真性糖尿病 |
通常2〜6ヶ月齢で起こります。病状は、発育が遅く、悪化するにつれ体重の減少、多飲多尿、下痢などが起こります。 |
クッシング症候群 |
副腎皮質の機能亢進による内分泌疾患で、多飲、多尿、脱毛、腹部の膨大、皮膚の色素沈着などが起こります。 |
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■消化器の病気 |
食道痙攣 |
食物を飲み込むことができなくなり、食後、食物を吐き出します。 |
出血性胃腸炎 |
突然嘔吐し、ジャムのような血便の下痢が始まります。 |
原発性巨大食道症 |
産まれつき食道が大きくなっている病気で、嘔吐をよくします。食事を誤嚥しやすく、肺炎に注意しなければなりません。治療はなかなか困難を極めます。常染色体優勢遺伝であることが判明しています。 |
門脈大静脈シャント |
肝臓の奇形により、多くは食後、頭がふらついたりして歩けなくなります。ひどくなると昏睡状態になります。 |
膵炎 |
高脂血症、高コレステロール血症、高トグリセライド血症、糖尿病やクッシング症候群との関係が問いただされています。過食を避け、高脂肪食もなるべく避けることが賢明です。 |
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■その他の病気 |
高脂血症 |
脂肪血症とも呼ばれ、血清中の脂質の濃度が高くなる状態を言います。 |
高コレステロール・ 高トリグリセライド血症 |
産まれつき、これらの素因を持っているようです。 |
ミュラー管遺残症候群 |
遺伝性で、常染色体で受け継ぐ特徴をもちます。繁殖の際は問題となります。 |
セルトリー細胞腫 |
睾丸にできる腫瘍で、片方の睾丸が大きくなります。いずれは去勢する必要があります。比較的、転移はまれですが転移することもあります。 |
口蓋裂 |
口蓋が正中線で裂けている奇形です。鼻腔と口腔がつながっているために、呼吸や吸引運動が障害されます。 |
不正咬合 |
これは噛み合わせの問題で、アンダーショットやオバーショットなどと呼ばれるもので、ほとんどは先天的な問題です。これらの問題を持つ場合には繁殖には適しません。 |
脊柱の奇形 |
脊椎の部分に発症している奇形で、症状はその程度によってさまざまです。 |
潜在偽半陰陽 |
性別を判別しにくい外部生殖器をもちます。 |
乳腺腫瘍 |
雌では2,5才以下に避妊すれば、乳腺腫瘍の発生率が低くなることがわかっています。また、子宮蓄膿症や難産などの病気も防ぐことができます。 |
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