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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

イングリッシュスプリンガースパニエル
English Springer Spaniel

好発疾病
骨・筋肉の病気
眼の病気
歯の病気
血液の病気
皮膚の病気
心臓・循環器の病気
神経系の病気
消化器の病気
腫瘍性の病気
その他の病気

年齢別まとめ表
骨・筋肉の病気
股関節
形成不全
通常生後7-9か月齢で発症しますがその後に発症することも多くあります。股関節が不安定になり、腰がふらふらとなり、重度になると、後肢に跛行が生じます。
肘突起分離症 肘の関節の病気で、始めは前肢が軽度に破行、だんだんと状態は悪くなる。通常は1歳以降に発症し、多くは両側性に起こる。
変形性脊椎症 老犬に多く認められます。椎間板の老化に伴う変性により、重症になると腰が不安定になり、歩きにくくなります。
汎骨炎 前肢や後肢が破行します、ときには破行が移動します。あまり治療しなくても2歳以上になると、自然に治ります。大型犬に起こる特有の病気です。雄が罹りやすいようです。
眼の病気
流涙症 俗に言う「涙やけ」で涙管が閉鎖してしまうため、涙の管を通らずに、外に涙があふれ出します。生まれつき涙管がない場合・細い場合・ただ単に詰まった場合等があります。
眼瞼内反症 まぶたが眼球のほうに内転します。このため、眼球に傷を付けるため涙が出たり、充血したり、角膜炎が起きたりします。成長につれて、治ることもあります。
中心性進行性
網膜萎縮
遺伝的な疾患です。発症年齢は様々で、動くものは見えるが、静止しているものは目の前にあってもわからないといった症状を示します。白内障を合併することもあります。
老齢性白内障 加齢によって、水晶体が濁ってきます。眼がだんだん見えなくなります。
原発性緑内障 眼に雲がかかったように見え、疼痛(眼をつむります)が起こり、眼が大きくなって、視力に傷害がおこります。できるだけ早く治療が必要となります。
睫毛重生 まつげが2列に生え、眼に入り、涙がでます。
網膜形成不全 先天的に網膜の発達が不完全となり、形成不全を起こします。
眼瞼外反症 下のまぶたが外転するために結膜が露出し、このため、眼球に傷を付けるため涙が出たり、ひどくなると、充血したり、角膜炎が起きたりします。
歯の病気
歯石・歯垢の蓄積 歯が茶色く変色し、ひどくなると悪臭を生じます。そのころには細菌感染を起こし、その毒物を飲み込むことにより、全身に悪影響を与えます。
歯肉炎 これは歯石・歯垢の蓄積が原因で、歯と歯肉の間に炎症が起こり、赤くなります。
血液の病気
ヴォン
・ヴィレブランド
(フォン
・ヴィレブランド)病
出血性素因の病気で、粘膜からとか、体のあらゆる部分に出血傾向が認められる。常染色体優性遺伝である。
第XI因子欠損症 plasma thromboplastin antecedent(PTA)と呼ばれる、血液の凝固因子である第XI因子が先天的に欠損している病気です。
ピルビン酸
キナーゼ欠乏性
赤血球の異常により、溶血性の貧血を起こします。
血小板形成異常症 遺伝的な病気で、赤血球の前駆細胞の形態に異常を示す。
皮膚の病気
アレルギー性
皮膚炎
ノミ・アトピー・食餌や接触が原因で起こるアレルギーで、その原因によって治療は異なりますが、さまざまの程度で激しく痒がります。
アトピー性皮膚炎 主に塵埃(家のダニ等)を吸引することが原因で起こり、通常1-3才までに発症し、遅くても6歳までに発症します。季節性があり、激しく痒がります。性差はありません。
食餌アレルギー 食事が原因で起こるアレルギー性皮膚炎で、主に顔面が腫れることが多い。季節性はない。アレルギーのない食事にすると治るが、なかなかむずかしい。
皮膚糸状菌症 カビ・真菌による感染症でなかなか治療がやっかいな病気です。
マラセチア感染症 カビの一種の皮膚病でこれも、なかなか治療がやっかいな病気です。
湿性皮膚炎 アレルギー体質だと罹患しやすい皮膚病です。円-卵円形の脱毛と発垢を示します。激しく痒がります。
外耳炎 耳が垂れているために、炎症が起こりやすく、激しく痒がったり、耳の中が赤くなったりします。いろいろな病気の症状として現れます。
脂漏性皮膚炎 俗に言うフケが出て、その程度によってですが、全身を痒がります。油性と乾性のフケに分けて治療します。この病気は体質的なところがあります。
甲状腺機能
低下症
中年齢以上で性別に関係なく発生しますが、この犬種では特に多いと言われています。皮膚病が治りにくくなり、被毛に光沢がなくなり脱毛しやすくなります。
肢端舐性皮膚炎 多くのアレルギー性皮膚炎に伴って起こり、雄の場合は非去勢により多い。退屈している犬が、いつも前肢を舐めるために、脱毛し、ひどくなると潰瘍ができ、感染の原因になるとの説もあるが、最近はアレルギーの原因が有力です。治療にはまず、できれば原因を除去する。またできるだけ犬に飽きさせないようにしてあげることです。
毛包虫症 幼犬に多発する寄生虫による皮膚炎で、頭部から発生し次第に全身に広がります。脱毛・皮膚の肥厚・乾燥。重症では全身膿皮症になり、治療が難しくなります。
鼻部膿皮症 鼻に毛包炎が生じ、かなり腫脹し痛がります。
皮膚無力症 エーラース・ダンロス症候群とも言い、皮膚が過剰にたるんでしまう、優勢遺伝の病気。小さい傷でも、皮膚は容易に破れ、大きな裂傷状態になってしまう。
苔癬様乾癬状
皮膚病(症)
臨床的に皮膚が、硬化かつ肥厚して、乾癬状となり、皮膚紋理の増強をきたし、顕微鏡で真皮乳頭層に帯状のリンパ球浸潤がみられる慢性の皮疹。
心臓・循環器の病気
拡張性心筋症 心臓の内部が拡張して、心臓が大きくなります。心臓の収縮が少ししか起こりません。多くは大型犬に見られます。
動脈管開存症 先天的な心奇形により子犬のころから咳・運動不耐性・呼吸困難・失神などの症状が慢性的に認められます。
神経系の病気
特発性てんかん 6-24か月齢で発症しやすく、急に発作を起こし、最初は短い時間で回復しますが、徐々にひんぱんに長い発作が起こるようになります。
部分的てんかん 何もないのに、何かを噛むような動作を続けて、行います。
小脳変性性疾患 小脳のプルキンエ細胞の変形性疾患で、数週-数ヶ月で発症し、症状は進行性となります。すなわち小脳疾患の症状・測定過大・企図振戦・躯幹運動失調などです。治療法はありません。
フコース蓄積症 代謝性蓄積症で、フコースを含む糖脂質の蓄積とフコシダーゼ酵素の欠乏が特徴で、進行性の神経学的荒廃が始まり、痙縮や振せんおよび軽度の骨格変化を伴う、常染色体劣性遺伝である。
重症筋無力症 先天的(生後6-9週齢で発症)と後天的(5歳以下か7歳以上)とがあり、運動後に悪化する、虚脱・振戦・巨大食道症等をともないます。
消化器の病気
食道痙攣 食物を飲み込むことができなくなり、食後、食物を吐き出します。
原発性巨大食道症 生まれつき食道が大きくなっている病気で、嘔吐を良くします。食事を誤嚥しやすく、肺炎に注意しなければなりません。治療はなかなか困難を極めます。
腫瘍性の病気
乳腺腫瘍 2.5才以下に避妊すれば乳腺腫瘍の発生率が低くなることがわかっています。また、子宮蓄膿症などの病気も防ぐことができます。
骨肉腫 骨の悪性腫瘍で、しばしば肺に転移し、予後が不良となります。老犬で多く、早期発見・早期治療が重要となります。断脚のみだと4ヶ月の生存率です。はげしい痛みを伴います。
皮膚組織球腫 2才以下の幼犬に発生する皮膚の腫瘍で、単独に、あるいは多発性に球形の結節ができます。
皮膚の腫瘍 皮膚組織球腫・基底細胞腫・毛包上皮腫・皮膚血管腫・肛門嚢腺癌等です。
その他の病気
停留睾丸 片側、または両側の睾丸が生後1ヶ月以上たっても陰嚢の中に認められない疾患です。繁殖には適しません。
喉頭麻痺 上部気道の閉塞が起こり呼吸が傷害されます。1才頃によく起こります。
肥満 この犬種は、肥満傾向があります。食事の与えすぎに注意しましょう。

これらの疾患を年齢別にまとめると次のようになります
年齢
不問
3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
股関節
形成不全
肘突起分離症
変形性脊椎症
汎骨炎
肘関節形成不全
頚椎の変形・奇形
年齢
不問
3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
流涙症
眼瞼内反症
中心性進行性
網膜萎縮
老齢性白内障
原発性緑内障
睫毛重生
網膜形成不全
眼瞼外反症
慢性角膜炎
網膜剥離
年齢
不問
3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
歯石・歯垢の蓄積
歯肉炎
ヴォン
・ヴィレブランド病
第XI因子欠損症
ピルビン酸
キナーゼ欠乏性
血小板形成異常症
血友病A
免疫介在性
血小板減少症
年齢
不問
3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
アレルギー性
皮膚炎
アトピー性皮膚炎
食餌アレルギー
皮膚糸状菌症
マラセチア感染症
湿性皮膚炎
外耳炎
脂漏性皮膚炎
甲状腺機能低下症
肢端舐性皮膚炎
毛包虫症
鼻部膿皮症
皮膚無力症
苔癬様乾癬状
皮膚病(症)
年齢
不問
3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
拡張性心筋症
動脈管開存症
僧帽弁閉鎖不全
三尖弁閉鎖不全
特発性てんかん
部分的てんかん
小脳変性性疾患
フコース蓄積症
重症筋無力症
年齢
不問
3ヶ月 6ヶ月 1才 1-3才 4-5才 6才以上
食道痙攣
原発性巨大食道症
乳腺腫瘍
骨肉腫
皮膚組織球腫
皮膚の腫瘍
副腎皮質機能
亢進症
軟口蓋伸長症
停留睾丸
喉頭麻痺
肥満