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医療用のレーザーには、以下のレーザーがあります。 ●高出力レーザー・・・外科手術用で、組織を切開・切除して血液を凝固する。 ●低出力レーザー・・・主に内科治療用で疼痛の緩解、血行促進、消炎効果。 ・低出力レーザー:スーパーパルスレーザー ・低出力レーザー:直線偏光近赤外線レーザー ・低出力レーザー&高出力レーザー:半導体レーザー ここでは治療用のレーザー、すなわち低出力レーザーについてお話します。 当院では現在低出力レーザー治療のパルスレーザー、半導体レーザー、近赤外線レーザーの3つのレーザー治療器を、各々の症例において、単独又は組み合わせて使用しています。 主に使用するのは、スーパーパルスレーザーです。これはハンディタイプで、気軽に持ち運びができます。また保護メガネも必要ありません。ゆえに手軽に使用できます。原則的には病院に来ていただきますが、使用法をマスターされた時には、時に貸し出しや、購買も可能な場合があります。 また直線偏光近赤外線レーザーは、装置が大きいので病院に必ず来院していだだき行うこととなります。このスーパーライザーの波長は幅広く深達度が高いので、深い病変の場合にはより適しています。しかし保護メガネが必要となります。 最初は直線偏光近赤外線レーザーにて数回行い、その後スーパーパルスレーザーを組み合わせる場合もあります。またこれらの低出力レーザーと鍼灸との組み合わせの場合もあります。これは針にレーザーを当てる方法です。鍼灸とレーザーの相乗効果を狙った方法です。 半導体レーザーのオサダライトサージ15Vは、主に外科手術の高出力レーザーとして用います。 軟部組織、例えば口腔内の手術(軟口蓋過剰症等)にも用いられます。俗にいう「レーザーメス」です。比較的まれですが、手術室にて外科手術後の疼痛緩和として、 低出力レーザーとして用いられることもあります。 低出力レーザー治療(Low Power Laser Therapy- LLLT)は、主に疼痛の緩解、血行促進、創傷治癒の促進、消炎効果を目的としています。これらのレーザーは、非接触で行えます。 それゆえ、レーザー治療中も、動物は痛みを感じないで済みます。レーザー治療は、適切に使用すれば無痛、無侵襲で行うことができ、合併症や副作用は認められていません。状態によっては、病変にビタミン剤や局所麻酔をして、レーザー治療をするとより効果的な場合もあります。 使用するレーザーの種類、照射箇所、照射回数、照射時間等はその動物の容態に合わせて決定されます。これは鍼灸に対して応用できない「ツボ (経穴)」に対してもレーザー治療は対応できます。 適応は、主に広範囲な慢性疾患、特に疼痛を伴う症例に使用されています。慢性の疾患にて体力の消耗性の疾患 変性性の関節疾患 慢性の炎症性疾患 骨、関節炎等の慢性の疾患 疼痛の管理 創傷の治癒の促進 血行の促進 急性及び慢性の外耳炎 口内炎 歯肉炎 関節炎 舐性肉芽腫 椎間板ヘルニア神経障害及び筋障害(ミオパシー) 損傷 骨折 脱臼後 火傷後 打撲 アトピー性皮膚炎 手術後の疼痛緩和等です。 低出力レーザー治療(LLLT)はかなり弱い(1~100 mW)赤色から近赤外領域の波長(630~830 nm)のレーザー光を皮膚の表面から照射して、急性、慢性の疼痛や炎症を緩和し、同時にその刺激により、生体の自己再生力を刺激し、病気そのものの本体も治 癒させる可能性があります。これは比較的新しい治療で、コールドレーザー治療とも呼ばれています。これは各々の組織に相互作用をして、特長のある波長を放射して治療する方法です。 しかし、あくまで、これらの低出力レーザーによる治療は、西洋医学のように、病気の原因から治そうとするのでなく、東洋医学の特徴である、本来持っている 体のバランスを整える、すなわちホメオスターシス(恒常性)のバランスを整えるというものです。 動物の体質や体系にある素因、慢性の疾患、東洋医学的な「虚」に対して、光線刺激療法が「補瀉」として「痛み」や「炎症」に働くように行うものです。 |
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