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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA
Dr. 小宮山の伴侶動物へのやさしい(優しい)獣医学
最も実践的な獣医療のために
犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症)
その診断と治療法
(2001/8/8 第1回改定)
アジソン病とは? 他の病気のまねをするのがうまい病気として有名です。 つまり似た病気が多くあるため、どのように診断するかが問われます。 |
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あるようでない病気です。 比較的まれな病気ですが(特に猫はまれ)、 確実にこの病気は存在します。 思ったよりは多いはずです! |
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病因は?
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その特徴は? 発症個体の約70%が若齢(3-6ヶ月)から中年にいたるまでの犬や猫で、 特にメス(70-85%)に発症するのが特徴。 |
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参考(好発犬種)
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Dr. Petersonによる発表(犬225頭) その症状は?
身体検査の所見は?
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心電図の特徴は?
→高カリウム血症やNa/K比低下の別の病気は? |
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X線検査の特徴は? 循環血流量の低下(約1/3) 小さい心臓(約1/3) まれに小肝症 これらは治療後に回復します。 |
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血液検査の結果は?
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アジソン病の際よく言われるNa/K比とは? 正常なNa/K比は27:1-40:1ぐらいです。 Na/K比<25:1で発症を疑い、<20:1で診断? しかしアジソン病発症個体のうち約10%はNa/K比が正常です。 高カリウム血症やNa/K比低下の別の病気は? 急性腎不全 尿閉(腎後性の腎不全) 重症の腸内寄生虫感染(特に鞭虫) 体腔内の液体の貯留(胸水や腹水) 低アルデステロン血症(低レニン血症) 例外→秋田犬(赤血球が壊れやすいので高血症になりやすい)の場合 |
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アジソン病発見のため覚えるべき事柄 ストレスで悪化する(手術・旅行・預かり等) 良くなったり悪くなったりの繰り返しの経過あり ショックや脱水があるのに徐脈ぎみ 過去に輸液やステロイドで元気になった 死に至る程なのに血検でストレスパターンの欠如 |
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診断法は? ACTH刺激試験 →前置とACTH刺激試験後の血清コルチゾール値比較(正常より低い) |
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その2大最重要治療法とは?
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その他の治療法は?
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急性期における治療の目安は? 嘔吐や下痢が止まり自分で飲水できるようになったら点滴を止めても良いです。 その後は経口投与にてグルココルチコイドを投与します。 |
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急性期から回復した場合維持療法は?
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酢酸フルドロコーチゾン(フロリネフ)の投与法 初回は電解質が正常になるまで1日ごとに1/2-1錠ずつ増加します。 安定しても最初の6ヶ月までは毎月調べます。 また生涯において3-6ヶ月ごとに必ず電解質(Na/K比)・BUN・Cre等を調べます。 これをしないと突然死の可能性もあり、 投与を少しずつ増加しなければならない傾向があります。 初回の量で2-3年持つのはまれです。 ピバル酸デゾキシコルチゾン(DOCP)の投与 DOCP投与の場合はグルココルチコイドの投与が必要です。 DOCPにはグルココルチコイドの作用は全くないからです。
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猫のアジソン病(まれです)の治療は? デポメデロール(10mg/cat、3-4週間毎)、 またはDOCP(12.5mg/cat、3-4週間毎)を投与します。 |
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犬のアジソン病の5%(以下の確率)でシュミット症候群が起こります。 これは内分泌の不全症で 多腺性内分泌不全(Polyendocrine Gland Failare)と呼ばれ、 若いメス犬に多く発症します。 アジソン病に甲状腺機能低下症・インスリン依存性糖尿病(IDDM)・ 上皮小体(副甲状腺)機能低下症などを同一個体で伴う場合 (つまり同じ犬に2個以上の免疫介在性内分泌疾患が存在する場合)、 この病気になります。 |
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予後について ある調査によると治療後生存期間は5年とあり、 アジソン病の関連で死亡することは少ないとされます。 重要なことは、ストレス時にグルココルチコイドを増量(2倍)することと 定期的に検査を繰り返すことです。 |