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発作
痙攣より広い概念。癲癇は発作に入る。 |
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発作の原因
頭蓋内 × 頭蓋外
進行性 × 非進行性
単発性 × 再発性 |
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診断的手ががり
頭蓋外性 |
中毒、低血糖、寄生虫 |
頭蓋内性 |
脳腫瘍、脳炎(脳感染)、癲癇 |
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↓ |
診断的手ががり
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↓ |
診断的手ががり
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↓ |
診断法
病歴の聴取→発作のタイプ
↓
発作の時期←発症の時期 |
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診断法
身体検査
↓
神経学的検査
↓
MDB
CBC→血糖値(24h)
血清生化学検査 心電図 |
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X線撮影検査
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↓ |
CT、MRI撮影検査
CTにて腫瘍、出血を確認
より正確にはMRI検査が最適 |
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↓ |
発作の特徴
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発作
全身性(大発作)
VS
局所的(焦点性)
診断も治療もむずかしい
大脳の一部の異常
ハエを追う動作 |
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↓ |
発作
痙攣発作は、運動領野に癲癇活動が起きた時に出て来る癲癇発作の中の1つである。まずは痙攣発作と失神(大脳皮質全体あるいは脳幹の血流が瞬間的に遮断されることによっておこる一過性の瞬間的な意識消失発作である)の鑑別が必要となる。これら発作中(流延、前肢のつっぱり等)は似た症状となる。 |
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↓ |
失神 |
vs |
癲癇 |
多くが循環器の障害、心臓病が原因で起こる。典型的には飼い主に駆け寄って来て、突然倒れる。多くが運動時に認められる。発作の時間は比較的短い数秒のこともあり、発作後はケロリとして、何事もなかったような動作となる。 |
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85%が安静時、早朝や夜間、急にそわそわする、隅に隠れる、穴を掘る動作が前兆、発作の時間が長い数分から数時間、治まったと思うとまた連続して起こることもあり。治まった後元にもどるのに時間が掛かる。 |
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↓ |
Magic
Formula(魔法の法則)
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発作の前兆とは?
隅に隠れる動作
穴を掘る動作
落ち着かない動作
目的もなく、うろつく |
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真性癲癇
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↓ |
症候性癲癇
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↓ |
症候性癲癇
寄生虫感染
低血糖
低カルシウム血症
一酸化炭素中毒 |
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↓ |
症候性癲癇
有機リン中毒
鉛中毒
エチレングリコール中毒
サイアミン欠乏症 |
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↓ |
症候性癲癇
インスリン分泌過多症
肝臓障害
破傷風
低ナトリウム血症 |
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↓ |
治療法
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↓ |
発作の治療の原則
1)できるだけ早く治療を開始することが重要
2)不十分な治療は早期に死亡の可能性がある
3)群発、重責型は治療が困難な場合もある
4)生涯に渡って毎日治療が必要。定期的な検査が必要となる
5)緊急疾患となることがある
6)夜間の発作時にどうするか話しておく |
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↓ |
痙攣・発作と間違い易い症状
・失神
・ナルコレプシー(睡眠発作)、カタプレプシー
・前庭疾患
・痛み(特に頚部)
・振戦
・重症筋無力症
・常同症(行動上の問題) |
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↓ |
癲癇発作の年齢別の鑑別
1歳以下 |
代謝病(PSS、低血糖) 先天性
中毒
感染症
遺伝性癲癇(稀) |
1〜5歳 |
特発性癲癇
代謝病(PSS、低血糖)
感染症
外傷
中毒
犬種(特発性癲癇) |
6歳以上 |
腫瘍
髄膜脳炎
血管性
代謝病 |
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↓ |
発作又は癲癇重積症の治療(2222の)法則
発作の2分間ルール
2分間以内の発作で、反復しなければ治療はしない
2ヶ月以内に1日2回以上の発作が2回以上起これば治療を開始する |
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↓ |
発作の治療
1/3 |
良好な治療が可能 |
1/3 |
だいたい治療が可能 |
1/3 |
あまり効果がでない |
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↓ |
発作の治療の原則
生涯に渡って毎日治療が必要
定期的な検査が必要となる
緊急疾患となることがある
夜間の発作に備える
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↓ |
いつから治療をはじめるかの基準(1256の法則)
以下の一つでもあてはまれば治療を考慮する
毎月に1回以上起こる発作
40日に2回以上の発作
1回5分以上の発作
年に6回以上起こる発作
頭蓋内に疾患がある場合
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↓ |
犬猫の癲癇の従来の治療法
犬、猫:フェノバルビタール
犬、猫:ジアゼパム
犬のみ:フェノバルビタール+臭化カリウム
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↓ |
フェノバルビタール以外を考慮する場合
発作が存在し血清レベルが上限
鎮静、過剰興奮、PU/PD、肝障害
ステロイド、利尿剤の併用投与
貧血、血小板や好中球の減少症
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↓ |
最近の犬の特発性癲癇のよく行われる併用治療
フェノバルビタール+臭化カリウム
フェノバルビタール+ゾニサミド
フェノバルビタール+レペチラセタム
ゾニサミド+臭化カリウム
レペチラセタム+臭化カリウム
ゾニサミド+レペチラセタム
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↓ |
犬の特発性癲癇のお勧め1の併用治療
主に小型犬(及び中型犬)にお勧め
ゾニサミド(エクセグラン)単独
ゾニサミド+臭化カリウム
ゾニサミド+レベチラセタム
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犬の特発性癲癇のお勧め2の併用治療
主に中型犬(及び小型犬)にお勧め
ゾニサミド(エクセグラン)単独
ゾニサミド+プレガバリンまたはガパペンチン
ゾニサミド+臭化カリウム
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犬の特発性癲癇のお勧め3の併用治療
主に大型犬(及び超大型犬)にお勧め
ゾニサミド(エクセグラン)単独
フェノバルビタール単独
ゾニサミド+フェノバルビタール
フェノバルビタール+臭化カリウム
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犬の特発性癲癇のお勧め4の併用治療
費用を考えると以下の5つの療法となる
フェノバルビタール単独
ゾニサミド単独
フェノバルビタール+臭化カリウム
フェノバルビタール+ゾニサミド
ゾニサミド+臭化カリウム
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↓ |
フェノバルビタールとゾニサミドの併用の関係は?
過去にフェノバルビタールを使用していれば、ゾニサミドは高容量(8-10mg/kg)から要求される。ゾニサミドの血中濃度の測定(10-40μg/ml)が薦められる
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↓ |
ゾニサミド(エクセグラン)について
我国で開発された薬剤で有効性が高い。
副作用はほとんど認めない。
5-10mg/kgを1日2回投与
フェノバルビタールと並んで現在の2大療法
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レペチラセタム(イーケプラ)について
発作中(急性期)の使用が最適
副作用はほとんど認めない。
20mg/kgから1日3回投与(これが難点)。
高容量でも安全に使用できる
だんだん効かなくなる傾向にある?
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ガパペンチン(ガバペン錠)について
効果はそれほど高くない
副作用はほとんど認めない。
10mg/kgから1日3回投与。
高容量でも安全に使用できる
維持には1日3回以上の投与が必要
慢性疼痛、知覚減退に有効である
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プレガバリンについて
プレガバリンはガパペンチンの新類似体である
安全域が広いのが特徴
初期の鎮静効果を避けるために初回は、
2mg/kgで1週間投与してその後は、
3-4mg/kgにて1日2-3回投与。
鎮痛剤、抗不安薬としても使用できる
ガパペンチンより生体利用率が高い
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↓ |
フェノバルビタールの犬猫の投与量
犬は、フェノバールを初回は3〜5mg/kgで経口投与を始める。1日2回
猫は、フェノバールを初回は2.5mg/kgで経口投与を始める。1日2回
コントロールできて、嗜眠・沈鬱の場合は10〜20%減量する。
3週間後に血中濃度を測定する、肝不全はまれである。
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↓ |
フェノバルビタールの副作用
食欲亢進(猫はまれ)
頻尿
嗜眠・鎮静
効果がでるまで2〜3週間かかる
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↓ |
フェノバールの血中濃度
血清値 |
15〜40μg/ml |
理想値 |
20〜30μg/ml |
安定するのに7〜10日
投与直前に採血 |
↓ |
フェノバールの血中濃度
20μg/ml以下の場合
20μg/ml以下の場合 |
0.25〜0.5mg/kg増量する |
30μg/kml以上の場合 |
20〜30μg/mlまで減量する |
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↓ |
臭化カリウムの使用法
臭化カリウム 15-20mg/kg、1日2回で経口投与を始める。
投与後80-120日目でやっと維持容量となる。
嘔吐防止のため、食事と共に与えるとよいであろう。
現在では猫では使用しない(約30%で喘息発作となる)。 |
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↓ |
臭化カリウムの作り方
臭化カリウム |
125g |
水 |
500mg(ml) |
1ml=250mg/ml |
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↓ |
臭化カリウム「ヤマゼン」
1〜4ヶ月で効果が発揮
1ヶ月後に血清レベルを測定
1000〜1500μg/ml |
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↓ |
発作の治療
コントロールには3〜6ヶ月が必要と、
あらかじめ飼主に告げておくこと。 |
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負荷容量の使用法
早く血中濃度を上昇させるために負荷容量を用いることがある
フェノバルビタール4mg/kgを4時間毎に6回まで投与
臭化カリウム62.5mg/kgを12時間毎に5日間まで投与 |
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7歳以上で初めて起こる癲癇発作
脳腫瘍も考慮する
できうればMRA検査を進める
脳炎、脳腫瘍を疑える簡単な検査
頭蓋骨圧迫法ー両手で頭を圧迫する
嫌がることあれば疑える
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緊急疾患としての癲癇の治療、
発作の治療
まずこれを試してみる価値がある
眼球圧迫法ー眼球を中程度に押してみる 閉眼させて、片方づつ指で中等度に10〜15秒ずつ、3〜4回繰り返す。三叉神経が刺激され、反射的に迷走神経が興奮して、発作が軽くなる可能性がある。 頚静脈マッサージ法もある |
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緊急疾患としての発作の治療
静脈を確保してレベチラセタムの静注(個人輸入が必要)
状態によって20〜60mg/kg
最大1日量60mg/kg |
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緊急疾患としての発作の治療
レベチラセタムの静注の投与量
投与量は20-60mg/kgを静脈注射(留置して行うとその後の点滴追加投与がしやすい)します。その程度によって初回20mg/kg又は40mg/kgを選び、必要なら20mg/kgを追加投与します。安全域が広い薬剤ですが、その目安は日量60mg/kgです。20mg/kgなら3回の投与で60mgとなります。8時間は有効である。 |
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緊急疾患としての発作の治療
レベチラセタムの静注の投与量
人間の医療では希釈しての使用が義務づけられていますが、動物の医療は希釈する必要はありません。多くの難治性のてんかん発作でも60mg/kgにて発作が治まりますが、これでも治まらない場合には、プロポフォール(1-4mg/kgをIV、CRIは1分間で0.1-0.6mg/kg)やイソフルランを使用します。 |
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緊急疾患としての発作の治療
静脈を確保して、ジアゼパムの静注
ジアセパム0.5〜1.0mg/kg静注から始める
ジアゼパム0.5〜1.0mg/kgを直腸内
ジアゼパムの0.5〜0.5〜1.0mg/kgを鼻腔内
緊急時静脈確保難しい場合は、
ミタゾラム0.2mg/kgを筋注、
鼻腔内に投与する。
呼吸の抑制に注意すること。 |
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フェノバールの静注の投与量
フェノバール 4-5mg/kgで始め
必要であれば、30〜60分おきに4回静注する。
日量は最高24mg/kgまでとする |
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緊急疾患としての発作の治療
酸素吸入をする(多くはICUが必要となる)
高熱(40℃以上)は冷却を考える
重症例は脳浮腫の予防のため20%マンニトール0.5g/kgを
IVにて投与する。
またはステロイド フロセマイド(1.0mg/kg)を投与する。
(可能であれば維持後、甲状腺機能低下症の検査)
重度の重責の場合はビタミンB(2mg/kg)の投与 |
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緊急疾患としての発作の血液検査
PCV、TP、BS、Ca、胆汁酸、
コレステロール、アルブミン
可能性があれば中毒関係の検査 |
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飼い主ができる緊急疾患としての発作の治療
ジアゼパムの直腸内投与(カテーテルにて直腸内に投与するが、
我が国には座薬(ダイアップ)もある。
ゾニサミド(40mg/kg)の直腸内投与する。
臭化カリウム(100mg/kgを4時間毎に6回)を投与する。 |
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