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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA |
Dr. 小宮山の伴侶動物へのやさしい(優しい)獣医学
最も実践的な獣医療のために
"猫の奇跡の治療法"
"猫の最後の究極の治療法"
プロリゲストンの使用法
第2世代の合成黄体ホルモン製剤 その歴史は、ヨーロッパでは1975年のオランダを始めとして、他の国では犬は勿論、猫からエキゾチックぺットまで広く用いられてる。 |
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ヨーロッパでは、猫においては発情抑制と粟粒性皮膚炎の適応とされ発売されている。 米国においては、まだ発売はされていないので、我が国にはその使用法があまり知られていない。 |
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現在、世界22ヶ国で使用され、我が国では1992年に犬の発情抑制剤として発売されている。このプロリゲストンは黄体ホルモン様作用がごく穏やかで、エストロゲン作用やアンドロゲン作用をもたないため、他の合成黄体ホルモンと比較して、特に猫においては使用しやすい。 | ||||||||||||
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適応を選んでのその効果は、過去の何れの製剤においても成し得なかった効果を認め、これが"猫の最後の究極の治療法"とか"猫の奇跡の治療法"と言われる所以で、猫の治療新時代への幕開けと言えよう。 | ||||||||||||
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この製剤は1ml中にプロリゲストン100mgを含有している。 商品名はコビナン(三共製薬) |
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適応症
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すべての症例は、雌であれば避妊手術済みのみの使用が原則である。投与量は1回につき1〜3mlとし、症状の強さによって調節する。投与間隔は2〜4週間の間隔で、最高でも6回とし、その後は通常、必要に応じて2〜3ヶ月間隔にて生涯投与が可能である。 | ||||||||||||
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併用薬について ほとんどの場合併用薬として、デポメデロール4mg/kgを同時期に投与すると効果的である。過去にすでに大量のステロイド投与をされている例や過去のステロイドにあまり反応しない場合は単独投与とする。 |
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猫の治療新時代への幕開け 米国においては、第1世代の合成黄体ホルモン製剤である酢酸メゲステロール(オババン、メゲース)が使用されているが、この第2世代の合成黄体ホルモン製剤は、副作用が50%以下のようである。特にデポメデロールとの併用は、猫の最後の究極の治療法と呼ぶにふさわしい療法である。 |
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副作用について 考えられる副作用として、多飲多尿、脱毛、嘔吐、食欲亢進又は減退、FeLVの活性化子宮蓄膿症、糖尿病、乳腺肥大、偽妊娠、肥満、性格の変化、腫瘍、突然死?等が考えらるが、これらはプロリゲストンの副作用と言うより、同時投与の場合はステロイドの副作用も考える。 |
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なぜ効くのか? 猫は小さい犬ではなく、猫はその特性から言って個体で治療することが可能。ステロイド以外の抗炎症作用が働く生物学的利用能の変異が起こる? |
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もしあなたの病院で、診察の前の同意書を使用していれば、例えば、対象動物の承認薬以外でも有効と思われる場合には、「貴院の判断でご使用ください。」と言う項目を入れておくと良いでしょう。 |