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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

プレーリードッグの飼い方と病気
(Prairie Dogs)

性質について
食餌について
住まいについて
予防的看護
雌雄の判別
早見表
一般的な臨床的疾患状態
人獣共通伝染病の可能性

『エキゾチックペット獣医学ハンドブック』
(日本ベェツ・グループ発行)
プレーリードッグの項目より一部を転載
■性質について
プレーリードックの行動は昼行性である。プレーリードックは冬眠しないが、寒さのひどい気候では、数日間睡眠状態を示すかもしれない。プレーリードックは、興奮させたとき、飼い主を見たとき、あるいは警告の状態として"ほえる"。プレーリードックはよじ登る傾向があるが、機敏ではないので簡単に落ちる。

社会的動物であるプレーリードックは、注目されたり仲間と交わることが欠かせない。プレーリードックは穴を掘ることが好きなので、それをすることができるだけの、十分な寝床を準備する。
■食餌について
食餌については、齧歯類用の食餌(ペレット、ブロック)、角状のアルファルファ、自由菜食のチモシー/乾草。肥満を防ぐために完全に成長した後は、固形飼料やアルファルファを減らす。ビタミンD過剰症を起こす可能性があるので、サル用の餌を与えない。水は大きな水飲みボトルに入れて与える。頻繁に洗浄すること。
■住まいについて
住まいについては、穴、薄暗くした空間、および穴を掘るための十分に深い寝床(堅木の削りくず、再生紙、ペレット)を用意する。側面が頑丈な住まいは、寝床の材料を保つのに役立つ。大型齧歯類用/ウサギ用の囲いが使用できるが、穴を掘っている間中、寝床の材料を散らかすのを防ぐために、中に箱を置く。巣箱は“にせの”隠れ家として役に立つ。

・住まいの温度:20.5〜22℃
・住まいの湿度:30〜70%
■予防的看護
・爪は頻繁に切りそろえる必要がある:ネコ用の"柔らかい爪"タイプの爪カバーを使うことも考慮する。
・捕獲された野生のプレーリードックは、ハンタウイルス、外部寄生虫、呼吸器の寄生虫を調べる必要がある。
■雌雄の判別
・雄では陰嚢が簡単に見える。
・雌では肛門と膣溝が隣接して接近している。
■早見表
生理学
寿命 10年
成獣の体重 0.5〜2.2kg(雄は普通雌よりも重い)
体温 35.3〜39.0℃
心拍数 83〜318回
歯列 切歯と頬の歯はオープンルート

生殖
性成熟 2〜3年
排卵 自発排卵、単発情性、
1月から3月の間に2〜3週の周期
妊娠期間 30〜35日
胎児数 2〜10(平均5頭)
年間出産頭数 1
正常授乳期間 6週

■一般的な臨床的疾患状態
不正咬合
皮膚真菌症 Trichophyton mentagrophytes、Microsporum gypseum
外傷および落下による脊椎の骨折 プレーリードックを高いところへ登らせないようにすべきである
足皮部の皮膚炎 細菌性:Staphylococcus aureus黄色ブドウ球菌
腫瘍 腎皮質の腺癌、胃の腺癌、原発性肝細胞癌
呼吸器疾患 細菌性
慢性肝炎
捕獲された野生動物 Baylisascaris sp.
外部寄生虫
肺ダニ
Y. pestisペスト菌
腸管トリコモナス
条虫と包嚢
狂犬病
ハンタウイルス(CDC米国疾病管理センターに照合する)

■人獣共通伝染病の可能性
・エルシニア
  Yersinia pseudotuberculosis(エルシニア・シュードツベルクローシス)
  Y. pestis
  Y. enterocolitic
   急性、亜急性、慢性あるいは潜在性がありうる
   病原体を経口摂取し、糞便中にばらまかれる
・Clostridium piliformes 毛状のクロストリジウム
・狂犬病(自由に歩き回るプレーリードックで報告されている)。
・Trichophyton mentagrophytes 毛瘡(白癬)菌
・Microsporum gypseum 石膏状小胞子菌
・Salmonella sp. サルモネラ属
・外部寄生虫(ダニ、ノミ、シラミ)
・ハンタウイルス(捕獲された野生動物)