■性質について |
スカンクは基本的には夜行性である。現在ペット化されていないが、ヒトや他のスカンクと一緒に育てれば、とても従順で慣れやすい。幼若期は、他の個体と同一ケージで飼育できるが、成熟したら別々に飼育する。成獣は、監視をしていれば、ケージの外に出すことが可能である。
威嚇するときは、前足を踏みならし、時には警戒音を発する。それでもだめなら、前足でバランスをとって前に進み、体の向きをかえて臭腺から液体を吹きかける。スカンクは、トイレの躾ができ、ハーネスやリードをつけて散歩することもできる。
子供や他の動物と接触する際は特に注意が必要で、飼主が監視できない場合は、ケージに入れておく。秋に体重が増加する傾向があるが、これは秋から冬は運動をしなくなるためで、室内で飼育している場合は、このようなことはなくなる。
雄の生植器では、肛門のそばに睾丸があり、腹部腹側にペニスが位置する(フェレットと類似)。 |
■食餌について |
スカンクの食餌は自然界では雑食性で、昆虫、げっ歯類、植物、果物やベリー類を食べている。一般的な犬用ドライフード("ライト"の場合は、一才令以上の個体に与える)に加え、果物、野菜、若葉のついたブラックベリーの枝を与える。おやつとしてミールウオームや他の昆虫を与える。ドッグボーンや歯石予防用おやつは、歯石形成予防に役立つ。 |
■住まいについて |
成獣になったら、個々のケージに入れて飼育する。幼若動物や妊娠していないスカンクは、他の個体と同居できる。 |
マダラスカンクの必要最低ゲージ面積 |
1頭=3.66u×高さ0.61m
2頭=4.57u×高さ0.61m |
シマスカンクの飼育床面積 |
1頭=3.66u×高さ0.90m
2頭=4.80u×高さ0.61m |
ケージの中に、休息する場所とトイレを設置する。室内で飼育する際は、部屋の温度を15.5〜18℃以下に保つ。スカンクがかじったり、長い爪で土を掘ったりしても逃げられない丈夫なケージを使用する。ワイヤーでできた底のケージを使用する際は、爪を切っておく必要がある。猫用の、のりを用いて装着する軟らかい爪カバーを、室内飼育のスカンクに代用できる。 |
|
■早見表 |
生理学 |
体長 |
シマスカンク:280〜280mm
マダラスカンク:115〜324mm |
尾の長さ |
シマスカンク:180〜435mm
マダラスカンク:70〜200mm |
体重 |
シマスカンク:0.75〜4.0kg
マダラスカンク:0.2〜1.0kg |
寿命 |
8〜10年 |
体温 |
38.9℃ |
心拍数 |
140〜190bpm |
尿pH |
6.0 |
糞便 |
猫に類似しており、非常に暗色をしている |
歯式 |
3/3, 1/1 ,3/3 ,1/1 |
|
■繁殖について |
繁殖および子育ては、通常成熟した雄は、夏、単独で行動するが、冬は複数の雌と一緒の巣で生活する。シマスカンクの雌は、妊娠していなければずっと雄を許容する。雌が妊娠している場合は、雄と別々に飼育する。繁殖は晩秋から早春にかけて行われる。
親とはぐれた子供のスカンクには、市販の子猫用ミルクを与える(KMR-BordenR)。1週目は、2時間おきに与え、2週目から12時間おきにする。6〜8週目で離乳させ、固形フードを与え、ワクチン接種を行う。 |
■人畜共通伝染病の可能性 |
北アメリカでは放し飼いのシマスカンクは、狂犬病の保菌野生動物として重要である。公衆衛生管理局では、スカンクの狂犬病ワクチン接種は認可しておらず、捕獲したスカンクに対するワクチンも認可していない。フェレットと同様に、狂犬病不活化ワクチンを接種する。飼主が注意することは、スカンクが他人に噛みついた場合、スカンクが狂犬病ワクチン接種していても安全ではなく、狂犬病検査が公衆衛生管理局で行うことができないことである。
スカンクに接種するワクチンは、犬と猫の混合ワクチンが使用されている(犬:ジステンパー、アデノウィルス2種、パラミキソウィルス、パルボウィルス、レプトスピラウィルス、猫の3種)。ペットとして飼育するスカンクと、ワクチン接種の経歴が分からない犬猫と接触させてはならない。通常、体重管理プログラムは必要となってくる。寄生虫予防を行う。歯科予防や定期的な爪切りが必要である。 |