慢性腎不全といわれました、これからどれだけ生きられるでしょうか?・・・・・・・
その原因の程度によります。

猫が高齢になると慢性腎疾患になる確率が高くなります。猫の慢性腎炎(猫の進行性腎疾)、猫の貧血、猫の腹水、猫の心不全等は、診断名ではありません。病気の反応を示した症状です。厳密に言うと、原因がわからないと、診断が付かないと、治療はその原因に迫れず、対症療法(支持療法)となります。その病気がむずかしいとしばしば診断がつかないことがあります。例えば俗に猫の慢性腎炎(慢性的に腎臓が悪いと言うだけ)と言われる状態の主な病名には以下があります。

間質性腎炎・・・・・・・・両方の腎臓が小さくなるもので、瘢痕性腎炎とも呼ばれます。これは治療は内科療法で一般的な治療となりますが、症例によっては腎臓の移植が適応となることもありますが、いろいろと問題もあります。

腎盂腎炎・・・・・・・・・・腎盂に細菌が集まります。治療には輸液と共に抗生物質が必要です。

糸球体腎炎・・・・・・・俗にネフローゼ症候群とも呼ばれ、治療にはステロイド等を使用します。

水腎症・・・・・・・・・・・通常は片方だけ多く大きくなります。治療は外科手術です。最終的には大型腎/小型腎症候群と呼ばれる状態になります。

多発性腎嚢胞・・・・・腎臓にいくつもの嚢胞ができます。ペルシャ猫に多発します。これも最終的には大型腎/小型腎症候群と呼ばれる状態になります。

アミロイドージス・・・・アビシニアンに素因を持ち、腎臓にアミロイド(腎類澱粉症)が沈着します。

腎リンパ腫・・・・・・・これは猫の代表的な腫瘍です。多くは両測性ですが、片側性の場合は摘出します。抗癌治療が通常選ばれます。

それゆえに高齢猫に多い、慢性腎不全(進行性腎疾患)の、その病気の原因を分類できることが、理想です。それを見つけることが、出来なければ、本来の原因となっている病気を治せないことがあるからです。