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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

飼鳥が卵を産み過ぎる(過剰卵について)
2016.5.8 改訂版


from May 28, 2009

はじめに
周囲の環境にて発情の刺激を与えないようにする方法
交尾の刺激を与えない
飼鳥の環境を変える、他に気持ちを向けて発情をおさえる
産卵してしまったら卵を取り出さない

食事について、栄養のバランスを良くして体力が低下しないようにする方法
はじめに

過剰な産卵を起こしやすい飼鳥には、セキセイインコ、オカメインコ、ボタンインコ等があります。過剰な産卵は飼鳥の栄養状態が悪くなり、どんどん栄養が失われて、最後には栄養が枯渇し、卵づまり、骨粗鬆症(骨そしょう症)、骨折等が起こり易くなります。 栄養状態には特に注意して、良質な食事、ビタミン、ミネラルを補給することをお勧めします。最終的にこれらの方法(行動修正療法)で上手くコントロールできない場合は、最後の手段としてのホルモン療法もありますので鳥の専門の動物病院に御相談ください。メスの飼鳥は現在のところ、安全に避妊手術ができるとは言い切れませんので、産卵の防止には、オスを離す以外にも、いくつかのテクニックが必要となります。

周囲の環境にて発情の刺激を与えないようにする方法

巣や箱、あるいは巣作りの刺激となるようなものを与えない

○巣や箱、あるいはこれらに代わるものを与えないようにしましよう。小鳥は大きな餌入れも巣箱の代わりにします。また、カゴの外に出している小鳥の場合、引出しやティッシュペーパーの箱、ハンガーに掛けてある洋服のポケットなども巣箱と同じ刺激を小鳥に与えてしまいます。基本的に巣箱は繁殖の際にのみ用いる。
○ 暗がりや狭い場所に行かせないようにしましよう。
○カゴの中に紙やおが屑を敷かないようにしましよう。小鳥は紙の下にもぐったり紙を齧ったりして、巣作りをしている気分になります。また藁、草等もケージに入れると、巣作りの刺激となることがある。
○ 鏡や玩具等も発情の刺激になることがあります。
○ 明るい時間が長いと、発情の刺激となります。人間の生活に合わせた夜更かしのパターンは避けなければなりません。8〜10時間以内の明るさにして、夜は暗くして十分休息を取らせます。温度も高すぎると、活動性が増し、刺激となり得ます。
○ また鏡や玩具等も時に発情の刺激になることがあります。

交尾の刺激を与えない
小鳥の背中をこすらないようにしましよう。これは交尾と同じ刺激を小鳥に与えます  また小鳥を肩に乗せ、手であやしても同じように、同じように刺激されます。体を低くして、羽根を振りながら、体を摺り寄せたりすると、これもまた交尾の刺激となります
飼鳥の環境を変える、気持ちを他に向けさせ、発情を抑える
カゴを、別の部屋に移動したり、ヒトの出入りの激しいところに置いて様子をみましよう。また窓際にカゴを移動したり、床に置いたり、風の強くない暖かな日は軒下に吊るすのも良いでしよう。要するに飼鳥を新しい環境にする。しかしながら、この方法では神経質になることもありますので注意も必要です。
産卵してしまったら、すぐに卵は取り出さない
産卵する度に卵を取り出すと、ダラダラといつまでも卵を産み足します。最後の卵を産み終わったと思ったら10日間ほど温めさせ、その後一気に卵を取り除きましよう。より良い方法は、各々の鳥の大きさに合う擬卵(プラスチックやセトモノの人工の卵)を卵を産みそうになったら入れます。擬卵は3-4週間ぐらいはそのままにします。産卵をしても、無精卵(雌のみで飼育する)の卵からは鳥は生まれてきません。有精卵(雄と雌の同居が必要)のみ鳥は生まれます。不明の場合は、 10日間ほど温めさせ、暗い部屋で光を当てて、血管等が見えれば有精卵です。
食事について、栄養のバランスを良くして体力が低下しないようにする方法
カロリーの高い食事(粟玉等)を与えると発情しやすくなります。粟田はヒナの時に与える食事です。その他は繁殖を促す場合に使用するものです。過剰に卵を産む鳥は、なにはともあれ飼鳥の栄養状態を良質に保つことが重要です。そのためには、各々の飼鳥に合ったバランスの良い良質のフードを与えます。しかしながら、前記したように、カロリーの高い食事(粟玉等)を与えると発情しやすくなります。そのためには、ビタミン、ミネラルと飼鳥に必要な栄養素が含まれていなければなりません。もちろんボレー粉やイカの甲等のカルシウムの補給も重要です。毎日の糞便回数を調べ、定期的(できれば毎週)に体重を測定すると良いでしょう。

三鷹獣医科グループの小宮山典寛より

 

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