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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

ダチョウ・その他の鳥の飼い方と病気
2001/2/26作成

ダチョウ
はじめに
食餌
住まい
早見表
繁殖
雌雄判別法
予防看護
ダチョウの一般的な臨床的疾患状態

エミュー
はじめに
住まい
早見表
繁殖
雌雄判別法


ヒクイドリ
はじめに
住まい
早見表
雌雄判別法

レア
はじめに
住まい
早見表
繁殖
雌雄判別法


『エキゾチックペット獣医学ハンドブック』
(日本ベェツグループ発行)
ダチョウの項目より一部を転載
ダチョウ
はじめに
・ダチョウは数マイルを40mphまでの速さで走ることができ、泳ぎがうまい
・ダチョウは、前方へ力強く蹴り、正確な打撃ができる
・ダチョウはしっかりした鋭い視覚のある大きな目と鋭敏な聴覚を持つ
・ダチョウは好奇心の強い鳥で、よく異物を摂食する(人から得た宝石でさえ)
食餌
ダチョウの食餌は、市販の餌がダチョウのために入手できる。以下の食餌が健康を保ち、繁殖させるのに適当であると考えられる:16-20%の蛋白・10%の脂肪・10%の繊維。

雛鳥に与えられる高蛋白食(27%)は、成長を促進させ、脚の変形を起こす傾向と関連づけられてきた。また良質の牧草地が供給されるべきである。
住まい
成鳥のダチョウは、風を防ぐためのシェルター・防護がある野外の放牧場で過ごす。温帯気候にいるダチョウは冬の間、完全に囲われたすまいが必要となるかもしれない。一般的なすまいの配置は、1頭の雄と1-3頭の雌がいるハーレムである。雄は近くの檻の中にいる雌に夢中にならずに自分の雌をおろそかにするので、グループがお互いに物理的な距離を保つことが必要となるかもしれない成鳥のダチョウのつがいに対する最小の放牧場の大きさは、5,000フィート2である。繁殖用の放牧場は1/4-1/2エーカーの大きさである。

塀はおよそ2メートルの高さで、走っている鳥がはっきり見えるような素材で作る必要がある。塀は、足・頚部がもつれるのを防ぐように設計されるべきである。塀の底は地上から少なくとも40cmにすべきである。

囲いをめぐらした敷地内に侵入してくる捕食者を防ぐために通電柵が必要となるかもしれない。ワイヤーをよった塀の素材(棘があるかすべすべしたもの)は、走鳥類には決して使用すべきではない。
早見表
体高 2.7m
体重 200kg以上
寿命 80年まで
成鳥の食性 草食性(牧草や草・落下したイチジク・渇水中に多間植物)
胃腸管通過時間 36時間
春期発動期 2年
性成熟 4年
交配 多婚性(1頭の雄に3-5頭の雌)
繁殖期
1腹あたり
の卵
15-25個
年間産卵数 70-100個まで
雌の産卵力 42年
産卵周期 不定※
繁殖休止期 4週/シーズン(両性とも)
雛鳥 早成長
※もし卵が取り除かれたら、雌はシーズンの間を通して1日おきに産卵するだろう
繁殖
もし鳥が自分で相手を選べないようにされていれば、気性の合わない交配が一般的である。雌雄ともに求愛行動を示す。二次的な性の特徴には、嘴や脚が赤くなる、発声や縄張り行動を示すことが含まれる(kanteling)。繁殖期の雄は縄張り行動を示し、攻撃的である。そして、繁殖期にあるグループ間で繁殖行動や産卵能力が低下するかもしれないような相互作用が見られる。繁殖期にあるグループの間に目に見える壁を建てるのが最もよい。

雌が産卵を止めると、雄は退色するだろう(顔・脚の色が明るい色からあせていく)。ダチョウの巣は地面にある浅いくぼみである。雄は巣を守る。

ダチョウは通常、午後あるいは夕暮れに卵を産む。雄は夜卵を抱き、雌は日中卵を抱く。支配的な雌は数個の巣で産卵し、数頭の雄と交配するかもしれない。もし、巣が過密状態であると(20-25個の卵)、雌はライバルの雌が産んだ卵を取り除くだろう。両性ともが雛鳥を育てる。蛋白が19-21%含まれているペレットに、できるだけすぐに新鮮な牧草を補助的に加えたのもを雛に給餌する(自由に歩き回っている若鳥は最初の数日間昆虫を食べる)。
雌雄判別法
性の決定は、1-3ヶ月齢の間の雛で最も容易である。雄は、クロアカの腹側方向から伸びる生殖器突起を持ち、それは見たり触れたりすることができる。雄のダチョウの雛は、横断面で円錐形をした陰茎を持ち、生殖溝がある。雌の陰茎は、側扁でやわらかく生殖溝を欠く。
予防看護
ダチョウの管理はcommercial food animalsと類似している。種や年齢別に分けて置いておく。よい給餌・水の管理・衛生・必要を満たすのに充分な運動・訪問者の制限・集団内での人の動作パターンに注意することを通して病気の予防を強調する。個体識別のために、孵化した後すぐに耳の2-3cm下のpipping muscleの左側にマイクロチップを埋め込む。

孵化した後の最初の2-3週間は成長をモニターするため毎日体重を測定する。
ダチョウの一般的な臨床的疾患状態
・栄養不足
・肥満
・骨折
・ポックスウイルス・パラミクソウイルス
・異物の接種
・特発性大動脈破裂
・不妊症
・E. coli大腸菌
・M. avium
・A. fumigatus
・C. albicans
エミューDromaius novaehollandiae
はじめに
・エミューは、よく走り泳ぎがうまい
・エミューの防御は、力強い前方や後方への蹴りや打撃である
・また、横へ打撃するかもしれない
・エミューは好奇心が強く、頻繁に異物を摂食する
住まい
エミューはダチョウと同じように管理されるが、より小さな設備が適当である。
早見表
体高 1.7m
体重 55kg
寿命 30年まで
成鳥の食性 雑食性(葉・草・フルーツ・花・昆虫)
春期発動期 2-3年
性成熟 3-5年
1腹あたり
の卵
7-12個
繁殖
・エミューの繁殖は普通、つがいあるいはコロニーで維持される
・ほとんど年中群居するが、繁殖期の間はつがい・トリオを作るかもしれない
・卵は草・わらの上に産み落とされ、部分的に隠される
・雄は卵を抱いて雛を育てる
・雄は抱卵期間中巣から離れず、実質的な体重減少を起こすかもしれない
・単婚性であると考えられているので、ある状況下では、雌もまた子どもを育てる
・短日繁殖をする動物で、北アメリカでは10月から5月までである
雌雄判別法
雌は雄よりも小さく、明るい眼の色をしている。
ヒクイドリCasuarius sp.
はじめに
・頭蓋骨のてっぺんの骨性の兜状突起により個体識別する
・ヒクイドリは単独性の鳥で、極端に怒りっぽい
・前方および後方の両方に蹴ることができ、自分の脚を横へ振ることができる
・最も内側の3つの爪先には、防御するための長くて鋭い爪がある
・雄はより攻撃的で、前方への蹴りと打撃をする
・牽制するときは、脚を振り回して後ろに回る
住まい
・ヒクイドリには草木や隠れるための低木がある牧草地がよりよい
・隠れ家はよく家禽・キジの囲いとして使っている小屋に似ているが、もっと大きい
・特に雄が攻撃的な性格をしているので、繁殖中を除いてヒクイドリはよく個々に生活する
早見表
体高 1.5m
体重 85kg
生息環境 密集した熱帯の雨がしみこんだ森林
成鳥の食性 果食性(カンキツ属ではない落下したフルーツ
・キノコ・カタツムリ・ラット)
交配 つがいが完全に性成熟するまで
一緒に育ったときのみ可能※
1腹あたり
の卵
5-6個(青白い緑の卵でざらざらしている)
※親としての世話は雄が行う
雌雄判別法
単一性
レアRhea americana
はじめに
・レアの一般的な態度は、怒りっぽい
・全ての雄が繁殖期間中特に攻撃的である
・全てがよく跳躍する
住まい
レアは、草木や隠れるための低木がある放牧地で生活させるべきである。隠れ家はよく家禽・キジの囲いとして使っている小屋を大きくしたものに似ているが、比較するともっと大きい。
早見表
体高 1.5m
体重 25kg
寿命 30年まで
成鳥の食性 雑食性(草木や牧草・昆虫・小さな齧歯類種子)
交配 多婚性(1頭の雄に5-7頭の雌)
1腹あたり
の卵
18個
繁殖
・レアは普通、午後あるいは夕暮れに卵を産む
・雄は求愛行動を示し、巣を作り、卵を抱いて子どもを育てる
・何頭かの雌は、雄が作った巣の近くに卵を産むだろう
・雄は1週間で卵を集めて、その後同時に全ての卵を抱き始める
雌雄判別法
雄の方がやや高く、雌の模様はあまり黒くない。