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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

ハトの飼い方と病気
2001/2/26作成

はじめに
食餌
住まい
早見表
繁殖
予防看護
ハトの一般的な臨床的疾患状態

『エキゾチックペット獣医学ハンドブック』
(日本ベェツグループ発行)
ハトの項目より一部を転載
はじめに
ハト目の行動は、繁殖期中は特に、より攻撃的になりうる。レースバトのみ選択的に繁殖や訓練を繰り返すことによって帰巣本能をより高められる。鳩小屋を目標にするための飛行データを覚えさせるのには、4-5回の訓練飛行で十分である。
食餌
ほとんどの鳥と異なり、Pigeons=鳩類やDoves=ハトは、水の中に鼻孔まで嘴を入れてバキュームのように水を吸い上げて水を飲む。食餌については、栄養的要求物と消費される餌の量は多様で、種・体の大きさ・季節・気候の状況・住居・繁殖期・成長あるいは換羽・運動量・餌の種類や給餌方法によって違ってくる。ほとんどのハト科の自然食は種子や穀類から成る。

さらにハトは種子や穀類を粉砕するために必要となる小さな石・砂・土粒を拾い上げる。ハト用の食餌は、栄養素が濃縮された栄養価の高いものにすべきだが、水分あるいは繊維を多く含むものにすべきではない。効果のある特別食は、ハトのためにすぐに入手できる。自由に飛べるハトにおいては、通常、特別の食糧を見つけ、それがよい栄養となるだろう。
住まい
飛翔能力を維持したい品種には、適度に健康の程度を保つために自由に飛び回る機会を与えるべきである。1対あるいはそれ以上のつがいのために数個のケージが用意されているので、鳩小屋を仕切るべきである。攻撃的な雄から逃げることができるような場所を鳥に与えるべきである。

必要な設備・道具・餌を貯蔵するため入り口に空間を用意すべきである。排泄物は日常的に除去すべきである。あるいは糞が通り落ちるように鳥をすのこの上におく。ハトの塵埃の抗原を吸入しないようにガーゼのマスクをして屋根裏を掃除することが奨められる。いくつかの国では栽培した穀類が野外で芽生えている時にはハトを室内においておく必要がある(室温:5-28度)。
早見表
雄:cock
雌:hen
羽がそろわない雛:squeaker
体長 体重 平均寿命
(飼育鳥)
体温
(クロアカ)
食餌消費 食餌消費
(若鳩)
12.5-40.0cm 350-550g 15年※1 40-41度 体重の5-20%/日 体重の10-100%/日
水分消費 各々の
飲水周期
飛翔速度 飛翔高度
(記録)
帰巣距離
体重の5-8%
/日※2
0.6mlの水 104km/時
以上
3,800-5,700m 500km
(1,000km以上の記録アリ)
呼吸数
(休憩中)
心拍数 心拍数
(飛翔中)
血液量 プロトロンビン時間 血液像
25-30bpm/分 108-250bpm/分 5.2-6.2bpm/秒 0.01mg
/体重1kg
11.5-18.7秒 リンパ球性
性成熟
年齢
最初の繁殖 雌の
産卵力
1腹あたり
の卵
抱卵期間 抱卵
5ヶ月 7-8ヶ月 6年以上 2個※3 17-18日 両性とも
羽毛の
生え始め
羽毛の
生えそろい
産毛の
換羽
換羽 巣立ち
6-7日 1ヶ月 6週 年1回
(8-9月)
21-28日
※1:雌より雄の方が長く生きる
※2:環境温度に依存(30-60ml)
※3:1つ目は午後遅く、約40-44時間後に2つ目を産む
繁殖
繁殖と子育てについては、孵化して数時間以内に雛は餌を食べる。抱卵の14日目までにそ嚢ミルクは、両方の親鳥から分泌産出される(構成=75-77%の水・11-13%の蛋白・5-7%の脂肪・1.2-1.8%のミネラル物質。炭水化物は含まれておらず、少量のカルシウム・リン・ビタミンAとCが含まれている)。
予防看護
・群の中に加える前に、鳩小屋全ての新しい鳥を隔離する
 (自由に飛び回っているハトが近づかないようにする)
・大変幼い見張りの鳥を、新しく購入した個体と隔離部屋で一緒に置く
・ハトの生殖力・性能・健康を増すために、最適の環境状態を提供する
・進行中の病気の管理と治療の計画を立てる
・繁殖期やレースシーズンの前に、病原体を見つけだし治療する
・排泄物や捨てられた餌は鳩小屋から毎日取り除ぞくべきである
 
飲み水入れ・じょうご状の器・小屋の横とい・排水溝は、週に3-7回徹底的にきれいにすべきである。ハトの水痘・ニューカッスル病・サルモネラ症のワクチンが接種可能である。成鳥のレースバトにおける、病気の鳥はしばしば淘汰され、獣医学的な処置はされない。ハトのブリーダーは、自宅治療を試みて失敗し、死体を焼き、あるいは埋葬された後になってからのみ、専門的な助言を求めるかもしれない。

鳩のブリーダーは、自分たちの鳥をレースに出す前に、通常ビタミンやミネラル補助食、特に追加のための刺激としてビタミンB12・低用量の抗生物質・抗コクシジウム薬・興奮剤を使い、さらに血液を薄くするためにワルファリンさえも使う。ハトのブリーダーは治療用量に至らない用量で、ハトのL型の細菌の発症を高めようと抗生物質を使用するかもしれないが、それは普通の環境では成長しないためよく見過ごされる。
ハトの一般的な臨床的疾患状態
・クラミジア
・外部寄生虫(昆虫)
・鳩の水痘
・内部寄生虫(吸虫・線虫・条虫・原虫)
・ヘルペスウイルス―封入体肝炎
・パラミクソウイルス―1(ニューカッスル病)
・Mycoplasma spp. マイコプラズマ属の細菌
・飼い主による抗生物質の過剰投与
・サルモネラ(ワクチンは限定された効果を持つ)
・真菌感染