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all words by Dr.NORIHIRO KOMIYAMA

Dr. 小宮山の伴侶動物へのやさしい(優しい)獣医学
最も実践的な獣医療のために

犬の新しい心臓病のアプローチ

心臓病 心臓病はあるが症状はまだない
心不全 心臓病があり症状も出ている
心臓病の診断
以下の4つで95%診断可能
病歴の聴取
身体検査
心電図検査
X線検査
シグナルメント
・年齢 先天的/後天的/変性性/腫瘍性
・性別 :♂>♀拡張期性心筋症 
・種類:品種特発性
性別
・細菌性心内膜炎は雄に多い  (3:1)
・動脈菅開存症は雄に多い    (2:1)
・弁膜疾患は雄に多い
・左心房破裂は雄に多い
品種特発性
マルチーズ
シーズー
ポメラニアン
ヨークーテリー
シベリアンスキー
プードル
ビーグル
ダックスフンド
シェルティー
柴犬
ゴールデン・レトリバー 
  
動脈菅開存症、弁膜疾患(MR)
弁膜疾患(MR)
動脈菅開存症、弁膜疾患(MR)
弁膜疾患(MR)、動脈菅開存症
本態性高血圧、拡張期性心筋症
動脈菅開存症、弁膜疾患(MR)
肺動脈狭窄症、左心房破裂
弁膜疾患(MR・TR)、左心房破裂
動脈菅開存症、弁膜疾患(MR)
弁膜疾患(MR)
大動脈弁狭窄症、拡張期性心筋症
主な心臓病の病歴の聴取
咳の特徴は? 夜間の呼吸困難は?
失神歴は? イビキの程度は?
同胎動物の様子は? 体重の変化は?
安静時に咳は? 運動すると疲れるか?
心臓糸状虫症の予防は? 主な症状は?
安静時に呼吸が荒くなったことは?
心臓病の3大特徴

運動不耐性
失神
咳について
心臓性の発咳とは?
夜間の咳とは?
ガチョウの鳴き声?
咽に骨が刺さった?
発咳の原因はどこに?
心臓→左気管支を圧迫?
気管?
気管支?
肺胞?
発咳の原因はどこに?
心臓が原因と疑う最も有効で手軽な効果的な方法は?

発咳の原因はどこに?
心臓の拡大を見つける事
それにはまず、心臓の触診から始める事
発咳の原因はどこに?
気管?
発咳テストを行う事
発咳の原因はどこに?
気管支?肺胞?
肺の聴診を行う事
肺の病気は股動脈心拍数
発咳の原因はどこに?
主に胸腔内が原因→心臓性?非心臓性?
禀告→年齢?ワクチン?フィラリア予防?
     夜間に多発?屋外飼育?犬種?
まず心不全があるか確かめる(心拡大)
発咳テスト
心尖拍動を確かめる!
心電図で肺性?心拡大?不整脈?
X線検査で心臓、気管、気管支、胞肺の評価
肺胞→慢性→気管支洗浄
心臓病→慢性→定期的な検診→超音波検査
咳をする犬は?
肥満犬の咳 肺性疾患?
削痩犬の咳 心不全?
小型犬の咳 気管虚脱?
幼若犬の咳 気管支肺炎?

運動不耐性とは?
老齢? 寝ていることが多い
整形外科? 興奮すると跛行等現われにくい
神経病? 興奮しても跛行等あり
呼吸器病? 動くと苦しい、呼吸が早い、吸気>呼気、RDD
運動不耐性とは?
・散歩の途中で息切れする
・散歩の途中で止まる?
・散歩の後の息切れが長い?
・休んでいる時間が長い?
・姿勢が以前と違う?
心臓病の失神とは?
・心拍出量の低下
・不整脈
・血圧の低下
失神vs癲癇
失神 癲癇
前兆なし(運動後)
発作は数秒で短い
発作後すぐに直る
前兆あり
発作は長い
発作後すぐに直らない
連続性の発作
心臓病の5大特徴

運動不耐性
失神
腹部膨満
削痩
腹部膨満
・右心不全からの肝不全
・腹水(漏出液)(浸出液)
・消化器疾患(臓器の拡大)
・泌尿器疾患(漏出、拡大)
・癌(貧血 出血 高Ca 削痩 発熱)
削痩とは?
・心不全
・癌
・膵臓機能不全
・重症な寄生虫感染
・飢餓状態
重症の慢性心不全の犬は削痩
肥満している犬に重症の慢性の心不全はない
おそらく肺性疾患である
心臓病の7大特徴

運動不耐性
失神
腹部膨満
削痩
呼吸困難
チアノーゼ
呼吸困難
吸気性呼吸困難 胸水や咽頭
呼気性呼吸困難 気管支
混合性呼吸困難 肺水腫
呼吸困難vs呼吸速拍
肺水腫穿刺  NO 
胸水穿刺  OK
気胸穿刺  OK
呼吸困難vs呼吸速拍
呼吸音小さい胸水あり
打診鈍い音
湿性ラ音肺炎、肺線維症又は肺水腫
胸水vs肺水腫
その鑑別

打診→濁音vs鼓音
・穿刺→液体vs泡沫?
・呼吸法→遅い?vs早い?
・心膜疾患
・縦隔洞の腫瘍
・肺性心
短頭種上部気道症状群
・軟口蓋伸長症
・外鼻孔狭窄
・咽頭小嚢(室)反転
・気管未形成
チアノーゼ
心不全で換気と循環に問題
・肺水腫
・胸膜參出液
・先天的な右から左のシャント
聴診の重要性について!
まずその前に触診を!

心臓の触診について!
心拍拍動について
・左右のバランスは?
・左右の最強点は?
・股動脈と同時に調べる
・手のひらを心臓が押す力は?
・手のひらを心臓が押す時間は?
・呼吸様式も調べる
肥大? × 拡張?
スリルを感じれば雑音あり!
聴診について!
・触診にて心音最強点(PMI)を探す。
・その場に聴診器を当てる。
 (別に肋骨を数える必要はない)
・左側であればそこが僧帽弁
・右側であればそこが三尖弁
・次に肋骨ひとつ分前方にずらして、少し上方に移動すると大動脈弁
 また、前方に移動して下げると、肺動脈弁となる
聴診について!
・できるだけ静かな所で!
・耳に合う聴診器が良い
・高価な物より聴く能力を
聴診について!
・心雑音はあるか?
・異常な心音はあるか?
・不整脈はあるか?
・ギャロツプはあるか?
股動脈の触診
・心拍数は?
・脈の欠損は?
・リズムは?
・脈の強さは?
Hyperkinetic(多動)
・強い脈のこと。
・左心室の拍出量の増大を示す。
・興奮、発熱、血管拡張剤の投与後
・大動脈閉鎖症
・バウンド脈、B-Bショツト
・ウォーターハンマー
Hyperkinetic(減動)
・弱い脈のこと
・ショック、心不全、不整脈
・低血圧、低血流量
・大動脈弁狭窄症
・心臓の拍出量の減少
奇脈(Pulsus Paradoxus)
・吸気に弱くなり、呼気に強くなる。
・心室の充満の変化よって起こる。
・心嚢内の液体貯留
・心タンポナーゼ
・交互脈
頚静脈拍動とは?
正常でも拍動→胸腔入口
1度は止めてみる→虚脱しないのは異常
肝-頚静脈反射とは?
約10〜20秒間、肝を圧迫
腹部を押し上げる
頚静脈拍動
・心臓病
・輸液量の判定
・治療効果の判定
頚静脈拍動
・右心不全
・心嚢炎
・縦隔洞の腫瘍
・肺性心臓病
心臓病の3大疾患
弁膜疾患
先天的心奇形
心臓糸状虫症
心臓病の5大疾患
弁膜疾患
先天的心奇形
心臓糸状虫症
気管虚脱
心筋症
心臓病の7大疾患
弁膜疾患
先天的心奇形
心臓糸状虫症
気管虚脱
心筋症
心膜疾患(心嚢疾患)
肺性心臓疾患
心臓病の10大疾患
弁膜疾患
先天的心奇形
心臓糸状虫症
気管虚脱
心筋症
心膜疾患(心嚢疾患)
肺性心臓疾患
腱索の断裂
左房破裂
心臓腫瘍
弁膜の疾患
・先天的
・細菌性(感染性)
・変性性
弁膜疾患とは?
・先天性
・僧帽弁閉鎖不全
・三尖弁閉鎖不全
弁膜疾患とは?
細菌性(感染性)
・細菌性心内膜炎
・僧帽弁
・大動脈弁
弁膜疾患とは?
・細菌性心内膜炎
・大型犬が罹り易い
・雄が雌の3倍(♂:♀=3:1)
・平均6歳ぐらいで発症する
・ジャーマンシェパードに多発
弁膜疾患とは?
・細菌性心内膜炎
・周期的発熱
・移動性関節炎とか跛行
・突発の拡張性雑音
弁膜疾患その病名は?
・変性性
・慢性弁膜疾患
・粘液性変性
・心臓弁膜症
・心内膜症 
・弁線維症
変性性弁膜疾患
罹り易い犬種
キャバリア・キングチャールス・スパニエル
(5〜7歳で50% 10歳で80%)
プードル  ミニチュア・シュナウザー
コッカースパニエル  ボストンテリア
チワワ ドーベルマン フォクステリア
変性性弁膜疾患
・慢性変性性弁膜性の心疾患
・解剖学的には粘液性変性
・犬のうっ血性心不全の最も多い原因
・小型犬や中型犬に発症する
変性性弁膜疾患
年齢とともに増加傾向を示す
・剖検では1歳以下が5%
・雄は雌の1.5倍罹り易い
・16歳で75%病変を持つ
・合伴症も雄が罹り易い?
変性性弁膜疾患
Dr.ブキャナンの報告の230例
僧帽弁のみ
僧帽弁+三尖弁
僧帽弁+大動脈弁
三尖弁のみ
僧帽弁+三尖弁+大動脈弁
143例(55%)
75例(30%)
6例

3例
3例
変性性弁膜疾患
なぜ発症するのか?
・退行性変性としての粘液変性
・特定犬種での発症は、遺伝的に影響された結合組織の変性?
・結合組織の異常(過剰)
・変化した酸性ムコ多糖類
変性性弁膜疾患
急性に悪くなったら?
合伴症は?
・腱索の断裂
・左心房破裂
・気管虚脱
・心房細動
先天性心疾患
犬は1000頭に8頭
猫は1000頭に3頭
先天性心疾患
・2歳以下雑音の存在するもの
・同胎に比べて小さめのもの
・特に可愛いもの?
先天的心臓病の重要点
臨床症状とシグナルメント
・雑音と心電図に感受性が高い
・胸部X線検査
・無害性雑音との鑑別
・定期的に検査する
心臓糸状虫症
慢性肺性疾患の主な原因
・成虫は肺動脈、右心室、大静脈
・オカルト感染の存在あり
・大静脈症候群の扱いが焦点
心臓糸状虫症
・好酸球性肺炎の評価:幼虫(-)の場合よくあり
・肺の毛細血管に多数いる幼虫に対する宿主の過敏症の反応
・気管支肺炎や肉芽腫に進行?
心臓糸状虫症
・7ヶ月齢以下では診断不可
・免疫反応として膜性糸球体腎炎
・住環境が重要な要素となる
・心断層エコーが有用となる
心臓糸状虫症
・過敏性肺炎
・肺の血栓栓塞症
・右心室不全と高血圧
・大静脈症候群
心筋症
拡張性心筋症
肥大性心筋症
拡張性心筋症
ドーベルマン
グレートデン
セントバーナード
コッカースパニエル
拡張性心筋症
・大型犬が多い
・中年(3〜8歳)
・雄>雌 1.5:1
・突然死もあり
拡張期性心筋症の原因
多くは特発性のもの
タウリン欠乏
カルニチン欠乏?
コッカ・スパニエル タウリン欠乏+Lーカルニチン?
拡張性心筋症
・右心不全の症状で来院
・大型犬→体重減少、腹部拡大
・心房細動(大型犬に多発する傾向)があるか?
 (ジャングル・ドラム?)
拡張性心筋症
最近の報告
ボクサーとドーベルマン
VPC(36%)と頻脈(70%)が心房細動(9%と19%)より多い
肥大性心筋症
・突然死にて判明?
・特に麻酔等にて
・普段は元気?
心嚢疾患(心膜炎)
右心不全(高齢) → 漏出液
突発性(若年) → 出血
高齢(腫瘍)   → 出血
細菌性(まれ)